日本の伝統行事の一つに、5月5日に迎える「端午の節句」があります。男の子の健やかな成長を願う日として親しまれていますよね。
また同じ日には「こどもの日」もあり、こちらは「こどもと母に感謝する日」という側面が込められています。
ここでは、端午の節句の由来や意味を、お子さんにも伝えやすい言葉でやさしく紐解きながら、古くから親しまれてきた「菖蒲湯」の楽しみ方をご紹介します。
おうちで季節を感じながら、親子でゆったりと過ごすひととき。何気ない1日が、心に残る良き想い出となりますように。
01 端午の節句の意味 | お子さんと話したい“成長への願い”

男の子の健やかな成長を願う行事として親しまれる「端午の節句」のはじまりは、古代中国にまで遡ると言われています。
この行事は日本に伝わるなかで、家族の幸せやこどもの成長を願う独自の節句として形を変え、受け継がれてきました。
ここでは、家族の会話が自然に広がるよう、端午の節句の由来と意味をわかりやすくご紹介します。
古代中国にルーツをもつ「健やかさを願う日」
端午の節句のはじまりは、季節の変わり目に人々が健やかさを願った古代中国の風習にあります。雨が増え、体調を崩しやすいこの時期に、香りが強い菖蒲(しょうぶ)やよもぎといった薬草を暮らしに取り入れ、身を守ろうとしたのが起源とされています。
菖蒲の清々しい香りには邪気をはらい、心身を整える力があると信じられてきました。軒先に吊るしたり、お酒に浮かべたりしながら「無病息災」を祈っていたのです。
この風習は奈良時代に日本へと伝わり、宮中行事として大切にされるなかで、家族の健康と平和を願う日へと姿を変えていきました。今日まで変わらず、大切に受け継がれています。
こどもとお母さんどちらにも笑顔をくれる日
端午の節句は、もともと男の子の健やかな成長を願う行事として永く受け継がれてきました。
一方、1948年に制定された国民の祝日「こどもの日」は、法律で「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに母に感謝する」と定められています。
つまり5月5日は、すべてのこどもたちの幸せを願う日であると同時に、その成長を支えるお母さんへの感謝を伝える日でもあります。
日々がんばる自分を少しいたわりながら、親子で笑顔になれる時間を過ごせる特別な1日なのです。
「強く、やさしく育ってほしい」鯉のぼりや兜に込められた願い

青空を泳ぐ鯉のぼりには、中国の伝説「登竜門」が由来しています。急流を登りきった鯉が竜へと姿を変える物語になぞらえて、「どんな困難も乗り越え、力強く成長してほしい」という願いが込められているのです。
また、兜や鎧は、もともと武士が自分の身を守るために使っていた大切な道具でした。その意味が転じ、こどもを病気や災害から守り、健やかに育ってほしいという想いを託すお守りの役割をもつようになりました。
端午の節句に飾られる鯉のぼりや兜には、親から子へと受け継がれる「強さ」と「やさしさ」への祈りが静かに息づいています。
02 季節の変わり目を健やかに過ごす知恵「菖蒲湯」

端午の節句に欠かせない「菖蒲湯(しょうぶゆ)」は、古くから親しまれてきた日本の知恵です。
春から夏へと移り変わるこの時期は、気温や湿度の変化で、心も身体もゆらぎやすいもの。そんな季節の変わり目に、自然の香りとぬくもりで心身をそっと整えてくれるのが菖蒲湯なのです。
なぜ菖蒲?香りに込められた厄払いと健やかさの願い
菖蒲湯に使われる菖蒲は、細長い葉をもつサトイモ科の植物です。葉の形が武士の刀に似ていること、さらに「菖蒲(しょうぶ)」と“武を重んじる”という意味の「尚武(しょうぶ)」の音が同じであることから、鎌倉時代以降は男の子の成長を願う節句のシンボルになりました。
菖蒲の清々しい香りには、邪気を払う力があると信じられ、心身を清めて無病息災を願う意味が込められています。薬草としても用いられてきたことから、季節の変わり目にゆらぎやすい心と身体を整える役割も担ってきました。昔の人々が「厄」と呼んでいたものには、病気や身体の不調も含まれていたのです。
ちなみに、端午の節句でよく目にする紫やピンクの美しい「花菖蒲(はなしょうぶ)」は、実は菖蒲湯に使う菖蒲とは別の植物です。お風呂に使う菖蒲はサトイモ科の薬草で地味な花をつけます。
一方、観賞用として飾られる花菖蒲は、アヤメ科の植物で、その華やかな姿から節句の飾りとして広く親しまれています。
香りだけじゃない、菖蒲のうれしい効果
古くから漢方の生薬「菖蒲根(しょうぶこん)」として用いられてきた菖蒲の根には、アサロンやオイゲノールといった精油成分が豊富に含まれています。これらの成分は、温浴効果とともに血行を促進し、肩こり・腰痛・冷えといった不調を和らげます。
さらに、清々しくさわやかな香りは、アロマテラピー効果があり心と身体を落ち着かせ、日常のリズムを整える助けにもなります。
家族で楽しむ菖蒲湯のすすめ
最も手軽なのは、薬草として使われてきた菖蒲の葉を5〜10本ほど束ねて、そのまま浴槽に浮かべる方法です。香りをしっかり楽しみたい場合は、葉を細かく刻んでお茶パックに入れ、熱湯で少し蒸らしてからお風呂へ。ふわっと広がる清々しい香りを味わえます。
給湯式のお風呂なら、お湯を張る前の浴槽に菖蒲を入れ、やや熱めのお湯で給湯すると香りが立ちやすくなります。ただし、菖蒲の成分はお湯に色や香りが残りやすいのが特徴。浴槽や給湯設備に負担をかける可能性があるため、追い焚きは控え、入浴後はすぐに排水すると安心です。
古くから親しまれてきた菖蒲湯は、今の時代でも「心と身体を整えるひととき」をつくってくれます。こどもと一緒に菖蒲の葉や香りを観察したり「今日はどんな香りがするかな?」と話しながら楽しむのもおすすめです。
03 毎日を少し特別に | 家族みんなをいたわる入浴剤選び

伝統的な菖蒲湯も素敵ですが、忙しい毎日のなかでは少しハードルを感じるときもありますよね。
そんなときは、手軽に心地よい時間をつくってくれる入浴剤を取り入れてみるのもおすすめです。
「手軽さ」と「上質さ」を両立する選択
薬草の菖蒲の葉を用意するのは、どうしてもひと手間かかるもの。そんなときは、端午の節句をイメージした花菖蒲(アイリス)の香りを、入浴剤で手軽に楽しんでみませんか。
伝統を受け継ぎながら、香りの心地よさや肌へのやさしさにこだわった入浴剤は、家族みんなで楽しめる「新しい菖蒲湯の形」。
入浴剤を使えば、こどもと香りや色の変化を楽しみながら、日常の入浴が親子の特別なひとときに変わります。
moadoでは、端午の節句の日を楽しむための入浴料を取り扱っています。ぜひ合わせてご確認ください。
特別な日にこそ「特別」なものを
「今日は少し気持ちを整えたい」「取り組んでいたことに区切りがついた」そんな節目の日はいつもより少し上質な入浴剤がよく似合います。
丁寧に調香された香りは、湯気とともにふんわりと広がり、いつものお風呂を“ひとつ上の心地よさ”へと引き上げてくれます。
香りの重なり方や余韻の深さは、上質なアイテムならでは。「ちょっぴり贅沢に感じる」という感覚こそ、特別な日をやさしく彩るポイントです。
自分や家族をいたわるための入浴剤がもたらす落ち着きや安らぎは、日常のなかにそっと「特別」を届けてくれるでしょう。
家族で受け継ぐ新しい季節の習慣
季節の行事として始めた菖蒲湯は、気づけば家族みんなの楽しみへと広がっていきます。
「今日は菖蒲のお風呂に入る日」と決めるだけで、季節の移ろいを生活のなかで感じられるようになります。こどもにとっては、香りや湯のぬくもりをとおして、日本の伝統に親しむやさしい体験に。
母親が自分をいたわりながら家族と過ごす姿は、自然な心のゆとりを呼び込み、暮らし全体にあたたかな空気が広がります。
04 菖蒲湯で整える季節の移ろいと心の調和

端午の節句に込められた「健やかに育ってほしい」という願いは、時代を超えて私たちの心に響きます。その想いは、こどもだけでなく、日々を懸命に生きる大人たちにも向けられています。
古くから伝わる菖蒲湯の習慣を暮らしに取り入れることは、日本の美しい伝統に触れながら、季節の変わり目にゆらぐ自分をやさしく整える手助けになります。
上質な入浴剤を選ぶことは、未来の自分をいたわるための賢い選択。湯船に身をゆだね、清々しい香りに包まれるひとときが、慌ただしい日常に穏やかな余白をもたらしてくれるでしょう。
端午の節句には、親子で「今日は菖蒲湯だね」と会話を楽しみながら、心も身体もあたたかくする日本の風習を暮らしに取り入れてみませんか。




